久慈市で 核ごみ対話説明会 安全性に疑問の声
原発から出る高レベル放射性廃棄物(核のごみ)の最終処分に関する対話型全国説明会が26日夜、岩手県久慈市で開かれました。経済産業省と原子力発電環境整備機構(NUMO)が主催し、市民への周知徹底が不十分ななか、事前に申し込んだ19人が参加しました。
国は、日本列島で核のごみの地層処分(地下300㍍以上の岩盤に埋設)の適地となり得る場所を色分けした「科学的特性マップ」を公表(2017年7月)後、全国各地で対話型説明会を開催(のべ179回)。岩手県内での説明会は、盛岡市(2回)、釜石市に次いで4回目です。
主催者側は「この説明会は、自治体に調査や処分場受け入れの判断を求めるものではない」と前置きし、地層処分の必要性やリスク対策を詳述しました。
参加者からは、「近い将来、三陸沿岸に東日本大震災の時以上の津波がくると言われている。地層処分施設への被害は避けられないのでは」「これまでの説明会で受け入れに賛成の人は、どれくらいいたのか」などの質問が相次ぎました。
「国から市町村への文献調査の申し入れは何件あったか」との質問に対し、主催者側は「この場では答えられない」と拒みました。
参加した60代の男性は「『安全だ』といくら説明されても、原発では人為的ミスが実際に起きている。想定外のミスを排除せず、慎重に対応すべきだ」と苦言を呈しました。