「しんぶん赤旗」に九戸村の補聴器助成の記事が掲載されました
10月9日付「しんぶん赤旗」に九戸村の補聴器助成の取り組みが紹介されました。
岩手県九戸村の補聴器購入助成制度は、同県によると遠野市、大船渡市に続く3番目。補聴器購入助成の再申請が可能で、補聴器の調整費用の一部も別途加算されます。
九戸村は、岩手県北部の人口約5500人の村。折爪岳は、100万匹以上ものヒメボタルの生息地として知られています。昨年12月から始まった補聴器助成制度は、同年4月に初当選した晴山裕康村長の提案で実現しました。
「私は困っている人、困難に直面している人をいくらかでも支援するということを、村政の根本においています。決して裕福な村ではありませんが、やさしく心地よいくらしを実感してほしいからです。補聴器補助制度も、そうした施策としてやらせていただきました」といいます。
村長選で「難聴者に補聴器購入への補助」とともにかかげた公約「県内初、村独自の子ども手当」「学校給食費の全額無料化」「75歳以上のバス代無料化」の4つの「すぐやります」は、当選後すべて実現しました。
村長選では、日本共産党も産科する「人と自然にやさしい村民の会」が晴山さんと政策協定を結んで奮闘しました。
電池補助求める
補聴器購入助成制度の概要は次の通りです。
●対象 18歳以上の村民。両耳の聴力40デシベル以上70デシベル未満で、身体障碍者手帳の交付対象とならない難聴者(医師が必要を認めた場合は、40デシベル未満でも対象)●助成額の基準額 高度難聴用ポケット型3万4200円、高度難聴用耳かけ型4万3900円 ●助成額 基準額の範囲内で購入費用の9割(基準額を超えた差額は、自己負担) ●再申請 耐用年数(5年)後は可能
この制度で専門の技術者による補聴器の調整が必要な場合、2000円が加算されます。同村保健福祉課によると「助成件数はこれまで11件。ほとんどが耳かけ型です」。
補聴器購入助成に関連して、昨年12月の村議会では、こんな質疑がありました。日本共産党の久保えみ子議員が「補聴器に電池が必要な方は、電池購入がかなり経済負担になっていると聞きます。とくに生まれつき難聴のお子さんの親御さんからは『一生使うので、付属品の電池購入にも補助があれば助かる』という要望が寄せられています」とのべ、「電池購入も補助の対象に」と求めました。
晴山村長は「いずれ困った人に行き届くような政策を進めてまいりたい。前向きに検討したい」と答えていました。
この質問をきっかけに、生まれつき難聴の子どもなどが利用する人工内耳用の電池が、補聴器助成制度とは別に、5月から障害者等日常生活用具給付事業の対象となりました。
村政は変わった
久保さんは、すでに19年12月議会で、補聴器購入助成に取り組むよう村に求めていました。補聴器助成を実施する自治体が近年増えていること、村民の中に補聴器は高いので補助してほしいとの要望があることなどを紹介。「高齢になっても生活の質を落とさず、心身ともに健やかに過ごし、認知症の予防、ひいては医療費の抑制にもつながる」として助成制度の創設を求めました。
当時の村長は「国、県、市町村の動向を勘案しながら検討課題としたい」と制度創設には消極的でした。
翌年4月、新村長が誕生。12月には補聴器助成が実現したことに、久保さんは「村長が変わるとこうも村政が変わるのか、と実感しています。制度ができてよかったです。利用者はまだ少ないので、もっと利用しやすいように9割給付は10割にし、助成額を増やし、制度の周知にも力を入れてもらいたい」と話しています。