病院統廃合に待った! 奥州市議選27日告示 共産党5氏 整備・充実を提案
奥州市はこの1年、病院の統廃合をめぐって揺れ動いています。告示が27日に迫る市議選(3月6日投票・定数28)で、「病院を守りたい」という住民の声を市政に生かす党はどこかが問われています。
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奥州市の小沢昌記市長は今年1月28日、市内の医療施設の再編案を撤回し、現在の施設の維持を発表しました。ここに至るまでには、住民と日本共産党のたたかいがありました。
再編問題が起こったのは、コロナ禍の2021年3月。長年にわたって市民の命と健康を守ってきた総合水沢病院(149床)と胆沢地区のまごころ病院(48床)、前沢診療所(19床)を統合して124床の新市立病院を建設し、衣川診療所の病床(19床)を廃止する市長の方針が明らかになりました。
3つの請願提出
市民はただちに立ちあがり、胆沢、前沢、衣川3地区の住民が、それぞれの施設の存続を求める運動を展開。8月に合わせて2万1600人の署名を添え3つの請願を議会に提出しました。
胆沢地区では、人口の8割超になる1万1573人分の署名が寄せられました。同地区の市議6人で紹介議員になったのは共産党の一人だけでした。
共産党市議団は市議会で繰り返し追及し、「地域医療の崩壊の第一歩につながる」と訴えてきました。
突然の再編方針の背景には、国政の地域医療切り捨て方針と合併した市の財政難があります。水沢病院とまごころ病院は19年、厚労省の病院「再編・統合」リストに入れられました。同年に高橋千鶴子衆院議員が両病院を訪れて院長らの話を聞き、地域で果たしてきた役割を国会で訴えました。
20年に入院ベッド100床削減がねらわれた際は、党市議団が紹介議員となり住民団体とともに署名9137人分を市長に提出。これも今の運動につながりました。
入院ができない
病院存続を求める請願が3件とも、今年最初の市議会で不採択になるなど、市議選を前に住民の願いに逆行する動きも強まっています。
傍聴していた50代男性は、「コロナ禍に病院を減らすのか。(不採択にした市議に)市民を代弁する資格はない」と憤ります。
党市議団は「地域の訪問診療(月130件)を受け持っている」「今いる地区で入院できなくなる」などと主張し、採択を強く求めました。
一方、前回市議選で「病院を守る」と訴えたのに請願に反対した市議や、本会議で3請願すべてに「改革は必要」と反対した公明党の姿が浮き彫りになっています。
胆沢地区の「まごころ病院を守る会」の石川岩夫会長は「病院は最重点と話していた人たちが採択反対とは…。存続のためにずっと協力いただいている市議のみなさんにはお礼を申し上げたい」と話します。
市議選にあたって日本共産党奥州市議団は、市立病院・診療所の統廃合に反対し、訪問診療への支援、病床確保、感染症対策の拠点としての総合水沢病院の建て替えなど、今ある病院・診療所の整備と充実を提案しています。
菅原あきら、こんの裕文、千葉あつし、せがわ貞清=以上現=、佐藤みゆき=新=の5氏を擁立。現有5議席確保をめざします。