高3自殺”顧問の責任” 第三者委員会が報告書
岩手県立高校の男子バレー部に所属する男子生徒の自殺事件(2018年7月)で、第三者委員会(佐々木良博委員長)は22日、県教委に調査報告書を提出しました。同日の記者会見で佐々木氏が概要を説明しました。
調査によれば、男子生徒はバレーの強豪大学への進学に悩んでいました。佐々木氏は、顧問が部活指導で部員らに「バレーやめろ」「バカ」などと人格を否定する暴言を繰り返し、男子生徒に対しては、3年生に進級してから叱責や暴言を強め、「高総体はお前のせいで負けた」などと自尊感情を奪ったとして、自殺に追い込んだ責任は明らかだと認定しました。
佐々木氏はまた、顧問が前任の県立高校でバレー部員への暴言暴力で訴えられ、17年11月の盛岡地裁判決で不法行為が認定されたと指摘。県教委が顧問を処分せず、再発防止へ裁判の情報を校長に正確に伝えなかったと批判しました。男子生徒が友人に自殺をほのめかし、学校のアンケートに「安全でない場所がある」と答えたのに、学校側が対応できなかったのは問題だと述べました。
再発防止策として、▽生徒の将来を考え、援助する進路指導▽生徒の人生を豊かにするための部活指導▽生徒の不安を取り除く自死防止教育ーが高校教育で重要だと話しました。