「公立病院守りたい」 奥州市で地域医療シンポ

 厚労省が発表した公立・公的病院の「再編・統合」リスト(約440病院)に批判が高まるなか、岩手県奥州市で2月29日、地域医療を考えるシンポジウムが開かれました。胆江労連が主催し、200人が参加しました。

リストでは県内にある10病院が名指しされ、奥州市では総合水沢病院、国保まごころ病院、県立江刺病院が対象となっています。

県医療政策担当課長の佐藤直樹氏は、名指しされた10病院は自主的に病床機能の転換などを実施・検討しており、国のリストを受けた大幅な見直しは必要ないと説明。小沢昌記奥州市長は、地域で機能している公立病院は「赤字」であっても一気にカットしてはいけないと語りました。

患者代表の佐々木卓氏は「総合水沢病院は紹介状なしで診察してくれる病院だ。頼りにしている市民は多く、何としても守りたい」と発言。県立江刺病院で働く千葉紀美子氏は「医師・看護師不足を解消しないと、現在の診療体制が保てない」と訴えました。

講演で本田宏氏(NPO法人医療制度研究会副理事長)は、日本は世界と比べて医師の絶対数が足りないと指摘。新型コロナウイルスに立ち向かうためにも、医師数を増やして労働条件を改善すべきだと述べました。

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