「地域医療を守り隊・あなたの声を!プロジェクト」(6地域住民アンケート)まとまる
いのちのプロジェクトチーム(岩手県地域医療を守る住民組織連絡会、地域医療の充実、県民の命を守る連絡会、岩手県労働組合連合会、岩手県自治体労働組合総連合、岩手県医療労働組合連合会、岩手県医療局労働組合)はこの3月から、県立病院が「無床化」された6地域(九戸村、岩手町、紫波町、住田町、一関市花泉、花巻市大迫)の地域住民アンケートに取り組んできました。7月30日にこのアンケート結果を発表し、記者発表と県医療局への要請を行いました。
この「いのちのプロジェクトアンケート」は、国による公立病院改革ガイドライン(2007年12月)をもとに、岩手県が「県立病院等の新しい経営計画」(2008年から2013年度)を策定、その計画の中で、地域から大きな反対運動、自治体も一体となった反対運動にもかかわらず、地域の医師不足も理由に県内6地域の県立病院が「入院ベッド」のない「地域診療センター」とされてから6年(岩手町は4年)、この間地域住民のみなさんがどうしてきたのか、「無床化」となっての率直な声を地域の生の声として私達が把握し、安心して暮らせる地域をどうつくっていくのかの課題を明確にするために実施されたものです。
九戸村や住田町では、自治体の積極的なご協力をいただき、行政連絡員などを通じて「全世帯」に配布されました。それ以外の地域では地元の「住民組織」の方々や組合員などの協力のもと配布されました。各地域の配布と回答数は次のようになりました。
九戸村…2,100配布、592回収、岩手町…3,000配布、709回収、紫波町…2,000配布、403回収 住田町…2,300配布、809回収、一関市花泉…2,770配布、398回収、花巻市大迫…1,803配布、302回収
同日の4時からは、このアンケート結果の説明とともに、出された声をもとにした県医療局への要請を行いました。医療局長が所用で不在のため、小原経営管理課総括課長へ要請書を手渡しました。
中野るみ子県医労委員長がアンケートの概要を説明し、中でも「無床化されて困ったこと」の設問には、「近くに入院する病院がない」が54%と第一位、「夜間・休日が不安」が45%となっています。特に大迫ではそれぞれ69%、63%と突出してすることを説明。やはりどんな地域でも「入院できる病院が必要」であることを訴えました。金野耕治いわて労連議長は①地域診療センターの入院ベッドの復活、②医師、看護師等を増員して救急医療体制の抜本的な改善、診療科の充実、③どの地域でも安心して暮らせるよう地域医療の充実を図ること、などを要請しました。
小原総括課長は、「アンケートの内容をよく読ませていただき、要請の内容も含めて医療局長にしっかりと伝えたい」と回答しました。