マイナ保険証6割でトラブル 患者に10割負担請求も 保険医協会が医療機関アンケート
マイナ保険証のオンライン資格確認システムの義務化によって、岩手県内で調査した62.5%(70件)の医療機関でトラブルが発生―。県保険医協会のアンケート結果(9日)で、深刻な実態が明らかになりました。会員を対象に5月24日から6月2日まで調査を実施。124人が回答を寄せました。
4月からの義務化で起きたトラブルの内容(複数回答可)では、「マイナ保険証を読み取りできなかった」が40件、「保険者情報が正しく反映されなかった」が38件でした。医療事故につながりかねない「他人の情報にひもづけられていた」も2件ありました。
トラブル発生の対応(同)では、「持ち合わせた紙の保険証で資格確認」が84.3%と最多で、「コールセンターへの連絡」は14.3%にとどまりました。トラブル対応で患者にいったん10割負担を請求したのは「1~2件」が3医療機関、「3~4件」が2医療機関でした。
意見欄には▽高齢者は1人で操作できず、職員の業務量が増えた▽カードリーダーを読み込む間に患者が列をなし、待たせてしまう▽目が悪いために顔認証画面の赤い枠が見えない人がいたーなどの事例が示されました。
同協会は、トラブルが解決するまではシステムの運用を停止し、「従来の保険証廃止方針は撤回するべきだ」と主張しています。