宮古 戦争体験集発刊 証言者と若者ら交流
アジア太平洋戦争開戦から81年、揺るがぬ平和を次世代へー。岩手県宮古市で12月25日、体験集『戦争の時代を生きて第7集の発表・懇談会が開かれました。同体験集を発刊した宮古・下閉伊地域の戦争を記録する会(前川慧一代表)が主催し、45人が参加しました。
同体験集への寄稿・証言者17人全員が出席。自ら朗読(代読者含む)し、戦争の悲惨さや反戦平和への決意を語りました。
▽ソ連国境から南洋のパラオに転戦した義兄は米軍の砲撃で失明し、捕虜に。終戦後、両目に包帯を巻いて帰国。家族は号泣し、母は「なぜこんな目に」と嘆き悲しんだ▽祖父や戦死した叔父たち、逃避行中に亡くなった3人のいとこは中国の大地に眠っている。黄砂が飛ぶと、「私に会いたくて風に乗ってきた」と思うーなどの体験が紹介されました。
最後に20代の青年が憲法9条を朗読。戦後の焼け跡で暮らす人たちを励ました「リンゴの唄」を参加者全員で合唱しました。
参加者からは「胸を打たれ、何度も涙が出てきた」などの感想文が寄せられました。前川代表(84)は「暮らしを守る予算を削って大軍拡へと進んだ道を繰り返してはならない」と話しています。