県立釜石病院の医師確保を 5団体が達増知事に署名を提出
地域医療と国立釜石病院を守る会、地域医療を守る岩手県連絡会など5団体は16日、達増拓也知事と小原勝医療局長に対し、県立釜石病院(釜石市)の医師確保を要請しました。1カ月余で集めた1万5336人の署名を提出し、野原勝・保健福祉部長と小原局長が応対しました。
同病院では循環器内科医師の減少で、心筋梗塞や心不全の患者は、岩手医大付属病院(矢巾町)や県立大船渡病院(大船渡市)などに搬送されています。産科医と小児科医の確保も困難ななか、10月から分娩の取り扱いを中止すると報道(3月15日)され、住民に大きな不安が広がっています。
守る会の森優子副会長は「署名には釜石市や大槌町の住民だけでなく、その家族を想う県内外の人たちの気持ちも込められている」と強調。この地域で長く暮らせるように県は検討を進めてほしいと語りました。
参加者からは「津波を生き延びた被災者がいまなお医療の問題で苦しむのは残念なことだ。『俺たちに死ねということか』と嘆かれるのはつらい」との声も出されました。
野原部長と小原局長は、署名を重く受け止めて医師不足解消を国に働きかけ、県も取り組むと答えました。