奥州 市立医療施設 病床100減計画「不安」「困る」 市民アンケート1505通 患者の声聞いて

 コロナ禍で住民の声を聞かないまま入院ベッドを減らすのか―。岩手県奥州市が市立医療施設のベッド(現在235床)を100床も削減する計画案を推進するなか、「医療を考えるパパママの会」(佐藤美雪代表)が呼びかけた市民アンケートが1505通返ってきています。

医師会長など委員9人で構成する「奥州市地域医療懇話会」が決めた同計画案には、患者や家族の意見が反映されていません。

パパママの会は地域医療の切実な声を市長に届けようと、日本共産党と力を合わせて9月19日からアンケートを開始。目標(10月末まで)を3000人に定め、新聞折り込み、幼稚園や保育園への協力依頼、地域訪問をしてきました。

佐藤さんが勤める幼稚園では、「もう1人産みたいが、市内の公立病院に産科がない。ベッドを減らすのはやっぱり不安だ」など母親ら人が記入してくれました。

パパママの会とサポーターは20日朝、市総合水沢病院(149床)前で、3回目となるアンケート配布を実施。参加者らが「計画案通りになると水沢病院のベッド数が半減するかも」と訴えると、多くの患者や家族がアンケート用紙を快く受け取りました。院内の待合室などでペンを執り、88人が回収箱に入れていきました。

総合水沢病院は厚労省の公立・公的病院再編統合計画で名指しされ、医師確保がさらに困難になっています。

6年前に脳梗塞(こうそく)を発症し、いまも3カ月ごとに通院する女性(69)は言います。「水沢病院には産科がなくなってしまったけど、やっと7月から小児科の常勤医師が来てくれた。ベッド削減で(がっかりした)医師が他の病院に移られたら困る」

1、2回目の配布行動でも、「コロナ禍でベッドを大幅に減らすのはダメだ。必要な時に入院できなくなる」(70代、女性)「高血圧で水沢病院、歯科で市国保まごころ病院に通っている。市立の病院を利用する患者は多い」(82歳、男性)との声が相次ぎました。

パパママの会と共産党は国保まごころ病院前などでもアンケート用紙を配り、近く結果を市長に提出する予定です。

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